整形外科領域プログラム

千葉ろうさい病院整形外科専門研修プログラム

1. 千葉ろうさい病院整形外科専門研修の理念と使命
整形外科専門医は、国民の皆様に質の高い運動器医療を提供することが求められます。
このため整形外科専門医制度は、医師として必要な臨床能力および運動器疾患全般に関して、基本的・応用的・実践能力を備えた医師を育成し、国民の運動器の 健全な発育と健康維持に貢献することを理念とします。

整形外科専門医は、あらゆる運動器に関する科学的知識と高い社会的倫理観を備え、さらに、進歩する医学の新しい知識と技術の修得に日々邁進し、運動器に関わる疾患 の病態を正しく把握し、高い診療実践能力を有する医師でなければなりません。

整形外科専門医は、生活習慣や災害、スポーツ活動によって発生する運動器疾患と障害の発生予防と診療に関する能力を備え、社会が求める最新の医療を提供し、国民の運動器の健全な発育と健康維持に貢献する使命があります。

整形外科専門医は、運動器疾患全般に関して、早期診断、保存的および手術的治療ならびにリハビリテーション治療などを実行できる能力を備え、運動器疾患に関する 良質かつ安全で心のこもった偏りのない医療を提供する使命があります。

一方、千葉県は全国的にみても医師不足が深刻な地域であり、また、高齢者人口比 率の高い地域も多くあります。
人口１０万人あたりの医師数（2020 年統計）は、全国平均 250.8 名に対し、千葉県は 202.3 名（全国で 3 番目に少ない）です。医療圏別では、市原医療圏194.4名、君津医療圏170.0名、山武長生夷隅医療圏132.1名、香取海匝医療圏203.5名、千葉医療圏264.2名となっています。
これらの地域においては、高齢化の進行に伴い整形外科のニーズが今後ますます高まることが予想され、質の高い整形外科医療を担う人材の育成が必要と思われます。
このプログラムでは、基幹病院である千葉ろうさい病院が属する市原医療圏を中心に、近接する千葉、君津、山武長生夷隅、香取海匝などの各医療圏の中核病院と連携します。
また、都市部や他都県の地域医療も経験することで、幅広い知見と社会学的素養をもって地域医療に貢献できる整形外科医を育てることを目標とします。さらに I 型基幹病院である千葉大学医学部附属病院と連携することで、プライマリ・ケアから療養・介護を含む老人医療、そして最新の先端医療まで、幅広い視野と知識、技能をもった整形外科医の育成を目指します。

2. 千葉ろうさい病院整形外科専門研修後の成果
千葉ろうさい病院整形外科専門研修プログラムを修了した専攻医は、あらゆる運動器に関する科学的知識と、高い社会的倫理観を備え、さらに進歩する医学の新しい知識と技能を修得できるような幅広い基本的な臨床能力（知識・技能・態度）が身についた整形外科専門医となることができます。
また、地域医療を中心とした研修によって、専攻医は研修期間中に以下のコアコンピテンシーを習得できます。
1） 患者への接し方に配慮し、患者や医療関係者とのコミュニケーション能力を磨くこ と 。
2） 自立して、誠実に、自律的に医師としての責務を果たし、周囲から信頼されること（プロフェッショナリズム）
3） 診療記録の適確な記載ができること。
4） 医の倫理、医療安全等に配慮し、患者中心の医療を実践できること。
5） 臨床から学ぶことを通して基礎医学・臨床医学の知識や技術を修得すること。
6） チーム医療の一員として行動すること
7） 後輩医師に教育・指導を行うこと。
8） 地域医療における包括的なチーム医療の一員としての役割を学ぶこと。

3. 千葉ろうさい病院整形外科専門研修プログラムの目標と特徴
【医学的探求心と地域社会・医療への貢献の志を併せ持つ、広い視野と高い視座をもった整形外科医師を目指して】
千葉ろうさい病院整形外科専門研修プログラムでは、到達目標を「医学的探究心と地域社会・医療への貢献の志を併せ持つ、広い視野と高い視座をもった整形外科医師」としています。
整形外科学は、運動器の機能と形態の維持・再建をめざす臨床医学であり、脊椎、上肢、下肢などの広範な診療領域を扱います。超高齢化型社会をむかえた我国においては、整形外科への期待はますます大きくなっています。その中でも千葉県の市原地域ならびにその周辺医療圏は、高齢化人口比率の高い地域であり、地域医療で整形外科の果たす役割が非常に重要となります。このプログラムでは、超高齢化社会に即した医療を中心に研修を行い、他科と連携したチーム医療・地域医療、特に包括的な医 療を担えるような整形外科医師を目指します。
全国的にみて医師不足が深刻な千葉県の中でも、市原、君津、山武長生夷隅の各医療圏は特に人口あたりの医師数が少なく、整形外科医の育成が急務となって います。市原医療圏の中核病院である千葉ろうさい病院を基幹病院とする本プログラムは、周辺医療圏も含めた他の地域中核病院や、千葉大学整形外科と連携し、専門的な研修も出来るように配慮されています。
千葉大学には、脊椎、股関節、膝関節、スポーツ医学、上肢・手外科、足の外科、リウマチ、骨代謝、腫瘍、リハビリテーションなどの多様な診療・研究グループがあります。これらの大学の連携施設は、それぞれに特色をもった多くの病院があり、当プログラムもそれら施設と連携し研修することにより、プライマリ・ケアら最先端の臨床・研究までを偏りなく学ぶことができます。これらの研修を通して、常に医学的探究心を持って診療にあたる習慣を身に付けることができるはずです。多くの手術症例を経験・執刀し、研修終了後に自立した整形外科医として診療が出来ることを目指します。
千葉ろうさい病院整形外科専門研修プログラムは、専攻医の皆様に素晴らしい研修環境を提供し、個々の能力を最大限に引き出す研修を目指します。また、千葉県地域枠として地域医療に貢献しようという志をもった専攻医の皆様にも、医師不足地域での地域医療研修義務と同時に多くの専門的な研修と研究の環境を提示できるプログラムとして環境を整えています。

プログラム詳細