医学生へのメッセージ
臨床研修は「普通」の積み重ね
研修プログラムや活発な診療実績からは見えてこない当院での研修の本当の魅力は、「実力がつく」という事でしょう。中規模病院のメリットとして、研修医と指導医の関係が密接であるという事があります。そのため、指導医は研修医の実力を見極めてしっかりと実臨床に参加させることが出来ます。また、手術や実技の経験を積むことが出来るのです。さらに研修医が発表する勉強会を毎週開催するなど共に学ぶ環境を整えています。
当院の臨床研修プログラムでユニークな点としては産業医研修があります。集中的な産業医研修により産業医資格を得られるものであり、今のところ国内で唯一ではないかと思います。急性期病院の入院患者は高齢化してきており、勤労者年代の健康管理について学ぶ機会は他所では得られにくくなってきていると思われます。
日々の研修においては、研修手帳を活用して研修の記録としています。研修医は診療科でのローテーションや救急外来業務で経験した疾患や症候などを手帳に記録していくことにより自己の研修の充実度を確認していくことが出来ます。医師としての最初の2年間の充実した記録として貴重な宝になるはずです。
初期臨床研修で求められることは、どのような分野の病態にもまずは対応できるプライマリケアの能力と、患者さん家族に信頼されチーム医療を実践できるコミュニケーション力です。各診療科が互いに垣根なく協力してCommon diseaseを多く扱う当院は、研修を積み重ねるのに適した病院であると信じています。
卒後臨床研修管理室 室長
外科部長
松本 正成
内科研修について
2年間の医師臨床研修制度において内科系の診療科は24週間の研修が必須として定められています。当院は、消化器内科・呼吸器内科・血液内科・糖尿病代謝内分泌内科・アレルギー膠原病内科は「内科」として、「循環器内科」・「脳神経内科」は独立した診療科として内科系を構成しており、 1年次に4週間ずつ合計24週間の研修を必修科として実施するプログラムとなっています。さらに、希望があれば選択科として2年次に追加で研修することも可能です。
当院は市原市のみならず近隣の医療圏からも多くの症例が集まってくる急性期病院です。 内科系において月平均の救急搬送患者数は約240例、1日平均入院患者数は約140例であり、プライマリー医療から広い領域の専門的な診療まで経験を積むことができます。 内科専門研修プログラム(内科専門医を取得するための後期研修)の基幹病院にもなっています。
2021年度の内科系の医師は33名で、同じ医員室で垣根も低く情報交換や交流が行われています。うち指導医資格取得医師は15名、医師3-5年目の後期研修医は11名、とバランスよく在籍しており、皆さんが充実した研修を送り、キャリアプランを考えることができるようなサポートを様々な世代の医師から得ることができます。
ぜひ一度病院見学で当院の力と雰囲気をみていただき、当院での研修を通して一緒に成長することができればと願っております。
卒後臨床研修管理室 副室長
アレルギー・膠原病内科部長
玉地 智宏
救急科研修について
千葉県は救急科がない研修病院も多く、救急医が少ない上に偏在しており、救急科研修の機会が得難いのが実情です。しかし一方で救急科研修はプライマリケアから重症患者管理、臓器別の病態把握だけではなく 全身の生理学的評価を学ぶ貴重な機会です。将来の進路に関わらず、医師である限りは、目の前の患者の容体が不安定なのかどうか、根拠をもって判断し、対処できるようになることが求められています。 当院の救急科研修は、屋根瓦方式を採用していますのでひとりで困ることや怖いと感じる危険なことはありません。手技の経験数もとても多く、指導医からは症例毎の丁寧なフィードバックや、日々のミニレクチャーなどきめ細かい指導があり、当科として研修医に与え得る大きな価値のひとつとなっています。さらに2023年度からは救急科専門医研修の基幹プログラムも整備され、後期専門研修から専門医取得まで一貫してサポートすることができます。
当院は働き方改革にも取り組んでおり、無駄な労働時間が少ない反面、臨床から得られる経験の絶対値はどうしても少なくなってしまいますので、研修医には、如何に効率よく近道をさせて経験スキルを習得させるかを追求しています。 上級医の辿った道をトレースさせるだけでは時代に合った教育とは言えないと考えています。
臨床研修医は病院の未来を創る、まさに宝と言える存在です。我々は責任を持って育て上げますし、大きく成長した研修医が再び当院で腕を振るったり各地で活躍したりすることは間接的に病院の価値を高めることにもなります。 医師としての基礎を成す2年間をとことん有意義なものになるように協力してつくり上げていきましょう!
卒後臨床研修管理室 副室長
重症・救命科 / 集中治療部 部長
山本 奈緒