病院紹介
千葉ろうさい病院は、京葉工業地帯の一部を形成する千葉県市原市に存在しています。 市原市内をはじめ千葉市南東部の大きな住宅地域が周囲に存在しており、地域住民からはいわゆる労災医療(勤労者医療)はもちろんのこと、広くプライマリ・ケアから高度医療、さらには終末期医療まで幅広い医療の提供を求められています。 そのため地域を支える中核病院として、地域医療支援病院・地域がん診療連携拠点病院・災害拠点病院・認知症疾患医療センターなどの指定を受けていて、中規模病院であっても大規模病院に匹敵する幅広い機能と実績を有しています。
「地域医療支援病院」としては、第一線の地域医療を担うかかりつけ医の支援を行い地域医療の確保を図る病院として指定をうけ、日ごろより機能の役割分担と連携を図っています。また「がん診療拠点病院」としてがん患者さんの手術、放射線、抗がん剤治療を行う一方で、がん治療を受けながら働く方々に休業からの職場復帰や治療と就労の両立を可能にするための支援も行っています。近年の災害医療に関連しては「災害拠点病院」としての指定だけでなく、2024年1月の能登半島地震ではDMAT指定病院としてDMAT派遣も行っています。これらの医療の実際として、小児科や緩和ケア内科も含めた幅広い内科診療をはじめ、外科系診療科では現在年間約5,500例以上の手術が実施されています。一方で年間約6,000名以上の救急搬送患者さんの受け入れを行っていて、2023年からは重症救命科でドクターカーの運用を開始しています。このように若手医師が卒後研修を行うにあたり偏りの無い診療を経験することが可能であり、プライマリ・ケアの研修に非常に適した医療機関であると考えます。加えて当院の初期研修プログラムの特色として、認定産業医の資格を取得する事ができる産業医学研修を選択する事ができます。働き盛りの勤労者の健康を管理し環境管理の研修を行うことは、将来の専門性に関わらず疾患を持った人々の職業に配慮した医療を提供する上で大変有効な研修となると考えています。
当院は中規模病院の良さとして、診療科の枠に拘らずに診療上のコンサルテーションができます。気軽に他(他科)の医師に相談できることは、研修医にとっては何よりの環境と言えましょう。毎週の勉強会での講義やハンズオンセミナーへの協力など、指導医・上級医も様々な場面で初期臨床研修に関して協力的ですし、初期研修終了後の進路についてもよく相談にのってくれます。当院は多くの専門医学会から研修指定を受けており、様々な後期研修プログラムとも連携していて大学などにおける専門性の高い医療の研修・研究の道に進む場合にも、その基礎的な能力を基にして発展することができるでしょう。また内科・重症救命科では専門研修プログラムがあり、当院での初期研修に引き続きキャリアを継いでいく事も可能です。現在の専門医制度の中、診療科によっては基幹病院との連携施設として当院で専門医研修をすすめることも可能となっています。
千葉ろうさい病院は、自分の進路が決まっていてそのキャリアプランに沿い研修を行いたい人はもちろんのこと、様々な経験をしこれからゆっくり進路を決めたい人にも幅広い選択性のある研修病院であると考えます。初期臨床研修が終了した2年後を共に想像しながら、いっしょに医師キャリアのファーストステップを作り上げていければと思います。