スポーツ医学センター
特色
当スポーツ医学センターは、一般的なスポーツ医学センターとは異なり、整形外科のみならず、形成外科・脳神経外科・産婦人科・リハビリテーション科・歯科口腔外科・重症・救命科など複数の科から構成されており、下記のような特色を有します。
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スポーツ外傷・障害に対する対応:
スポーツで起こり得る外傷に対応すべく、整形外科・形成外科(顔面外傷)・脳神経外科(頭部外傷・脳振盪)・歯科口腔外科(歯冠損傷など)・重症・救命科(重症外傷・腹部外傷)など複数の科による専門的な治療を、スポーツ復帰を念頭において行います。
重症外傷・熱中症などに対しても、重症・救命科を中心に積極的に受け入れており、早期対応を行います。急性期を過ぎた後には、各診療科と協力の上、早期社会復帰・スポーツ復帰を目標に、治療・リハビリテーションを進めます。
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リハビリテーション:
各疾患・手術や脳振盪などからのスポーツへの復帰に関して、各診療科とリハビリテーション科及び連携医療機関と協力しながら進めます。包括的なサポートを行うことにより、早期の症状改善、スポーツ復帰を支援いたします。
- 女性アスリート特有の月経の問題などに関しても、その分野を専門とする医師が対応いたします。
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最先端の治療法の提供:
関節軟骨損傷に対する自家培養軟骨細胞移植術、肉離れ・靱帯損傷に対する高気圧酸素治療など施行しています。今後はさらに最先端の治療方法を皆様に提供できるよう、調整を進めてまいります。
(高気圧酸素治療についてはこちら)
◎整形外科
日本体育協会公認スポーツドクター1名、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医2名が在籍しています。スポーツ現場から臨床・手術まで幅広い経験のもと、最良の治療法を提示、選択し、スポーツ復帰をサポートいたします。臨床・手術においては、当科の特色である関節外科、脊椎外科、手外科と専門性の高い診療を提供しています。
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脊椎外科:
神経根症の治療
頚椎・腰椎の神経根症などに対して、ブロック治療や手術加療などを行います。最少侵襲手術を心掛け、頚部神経根症(頚椎ヘルニアなど)に対しては顕微鏡を用いた椎間孔拡大術、腰椎椎間板ヘルニアに対しても内視鏡を用いたヘルニア摘出術などを施行しています。このような筋肉にダメージの少ない最少侵襲手術を行う事で、手術後のスポーツ復帰において、少しでも良い状態を維持し、早期復帰を可能にします。
腰椎分離症の治療
CT/MRIを用いて正確な診断・病期の判断を行ったうえで、原則的にはストレッチ指導・体幹トレーニングなどによるリハビリテーションを中心とした保存治療を行います。腰椎分離症が完成してしまっている方には、活動性と疼痛の程度を考慮した上で保存治療を行いますが、状態に応じて手術を検討する場合もございます。
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手外科:
スポーツ障害(野球肘・靱帯損傷など)、各種外傷(骨折:指節骨骨折や上肢の骨折、腱損傷等)、紋扼性障害などに対して、手外科専門医が最適な治療法を提供いたします。特に野球肘・靱帯損傷には、超音波エコー・レントゲン・MRIなど多角的な診断のもと、保存療法・手術療法など適切な方針決定を行います。
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その他:
肉離れ・捻挫等の急性期の外傷に対しては、前述の高気圧酸素治療などを用いて加療を行っています。(詳しくはこちら)慢性・疲労性のスポーツ障害には、症状に応じた最良の治療方針を提供いたします。
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スポーツ復帰へのリハビリテーション:
リハビリテーションの段階によって、リハビリテーションの方針を決定し、連携医療機関とともに最良のリハビリテーションを提供いたします。
◎形成外科
日本体育協会公認スポーツドクターを有する医師が、自分のスポーツ経験(サッカー、ラグビー)を活かして診察いたします。鼻骨骨折や擦過傷など顔面外傷の治療を主に担当します。手術のキズを丁寧に、綺麗に、縫合して、なるべく目立ちにくい傷跡にすることにも他科と協力して取り組んでいます。また外傷後の傷跡や瘢痕についても相談に応じており、保険診療の範囲で治療を行っています。
◎脳神経外科
スポーツ中に頭をぶつけることは少なくありません。多くは軽傷で済みますが、ことにコンタクトスポーツでは死亡事故につながるケースも中には見られます。死亡に至らないまでも後遺症を残すこともあります。事故直後から意識障害が認められる場合や、事故後、次第に意識障害が進行するようなケースは、早急な診断と治療を要します。また、そこまで重篤ではなくとも、精査の結果、軽度の脳挫傷や急性硬膜下血腫等が認められ、当面の安静が必要となることもあります。
当科では、CT(64列マルチスライス)やMRI(3テスラ)等による高精度の画像診断を行い、より正確な判断と治療を行うよう心がけております。
また、脳振盪からの運動への復帰に際しては、各スポーツ・団体からの提言・規定を順守するように指導・説明をいたします。
◎リハビリテーション科
脳振盪・脳挫傷後の高次脳機能障害について専門的な評価を行います。必要に応じて生活指導などを担当します。長期的な高次脳機能障害の外来リハビリテーションが必要な場合は専門施設に紹介いたします。
整形外科などの各種手術の周術期のリハビリテーションでは、手術前から介入し、手術後の目標設定を含めて積極的に対応しています。退院に際しては、ご自宅の近隣連携施設への移行がスムーズに行えるよう努めています。
◎歯科口腔外科
顎顔面外傷を対象として診療を行います。顎顔面骨骨折(歯槽骨骨折、下顎骨骨折、上顎骨骨折など)の場合には、整復固定や顎間固定などを行うことで、咬合(咬みあわせ)不全や開口障害の回復を目的に治療を行います。また口腔内外の軟組織の損傷や歯の破折、歯の脱臼、顎関節脱臼や外傷性顎関節炎などの治療も行います。さらに損傷により失われた咬合機能の改善を目的とした補綴治療や歯科インプラント治療なども状態に応じて対応する場合があります。
◎重症・救命科
各種スポーツ大会や学校行事などの後方支援依頼に積極的に対応し、外傷症例など速やかな受け入れに努めています。骨折や軟部組織損傷などの整形外科領域の外傷に限らず、打撲による腹部臓器損傷や血気胸などの重症外傷症例においても、JPTEC/JATECなどの外傷診療ガイドラインに準じた初期診療から、手術を含めた根治的治療まで行っています。
近年増加している、中高年のスポーツ中の内因性救急疾患(急性心筋梗塞、くも膜下出血など)に対しても、積極的な受け入れと初期診療を行い、専門各科との連携のもとに社会復帰を目指した治療を行っています。
◎産婦人科
月経時の痛みや体調不良、月経前の時期に起こる月経前症候群といった症状は、女性アスリートのコンディションやパフォーマンスに影響を与えることがあります。
また無理な食事制限を日常的におこなっているアスリートも多く、生体機能維持に必要なエネルギーが不足することでホルモンの分泌低下から月経異常を起こすことが多く、さらには骨粗鬆症のリスクも高まります。
これらの問題に対して、主に女性ホルモンの観点から治療をおこなってまいります。
◎臨床工学部
肉離れ・捻挫に対する高気圧酸素治療を担当いたします。詳細はこちらをご参照下さい。
担当医師予定表
- 備考
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重症・救命科:随時救急対応いたしております。
詳しくは地域医療連携相談部へお問い合わせください。
スタッフ紹介
活動報告
スポーツ医学センターの活動報告がご覧いただけます。