スポーツ外傷(肉離れ・捻挫・靭帯損傷)に対する高気圧酸素治療を行っています。スポーツ外傷の患者様で少 しでも早い復帰を目指す方はぜひご利用ください。
高気圧酸素治療は、肉離れ・捻挫・靭帯損傷などの外傷による腫れの軽減に効果があり、また治癒過程を早める 効果もあるとされています。そのため、スポーツ外傷後の早期復帰を目指した選手には効果的な治療法です。
全国でもスポーツ外傷を扱う病院の一部ではこのような治療が行われています。一方、千葉県内ではまだこの治療を受けることができる施設はほとんどありません。
当院の高気圧酸素治療は昭和40年から開始され、多くの疾患に対して治療が行われており、過去の実績を含め、安心して当院での治療をお受けください。
高気圧酸素治療とは
血液中の溶解型酸素を増加させることにより、高濃度の酸素が血液(酸素)の足りない部位に到達することが可 能となります。捻挫・打撲などの外傷で組織がダメージを受けて低酸素環境におかれている部位には、通常のヘモグロビ ン結合型の酸素に加えて、増加した溶解型酸素を供給することで低酸素環境が改善され、種々の効果が起こるとさ れます。
そのため、急性期のスポーツ外傷に特に効果があるとされています。具体的には、腫脹の軽減、疼痛の軽減、治癒 の促進などが期待されています。
いわゆるベッカムカプセルとの違いは加圧能力の差(高気圧酸素治療:2.5ATA、酸素カプセル:1.3ATA)です。
溶解型酸素の量は実に15倍程度の差があると報告されています。そのため受傷部位における低酸素環境の改善にお いては大きな差が生まれてきます。
膝・足関節などの靭帯損傷や、大腿・下腿の肉離れなどでは、3週間程度の安静が必要となることがあります。その 安静の期間に、少しでも組織の修復を進めるように高気圧酸素治療を行うということは、スポーツ復帰への第一段階に もなりうる選択肢です。
対象疾患
靭帯損傷(捻挫など保存療法の対象となる程度)・筋挫傷(肉離れ・腫れの強い打撲)・コンパートメント症候 群に準じた筋の張りなど
治療の流れ
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整形外科受診
通常の診察・診断、必要に応じてレントゲン撮影(胸部・受傷部位)、心電図検査
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高圧酸素治療へ
1回約2時間(加圧・減圧含む)、予約制となります。
- 5日間で合計5回を行います。(すべて予約制で行います)
- 5回終了後は状態に応じてその後の対応を検討します。
治療の費用
本治療は自費診療となります。初診料・再診料・高気圧酸素治療の費用は以下に含まれますが、レントゲン・心電図等施行の場合には別途自費負担分が発生いたします。
平日時間内 | 1回目:13,000円(税込14,040円)、2回目以降:10,000円(税込10,800円) |
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時間外・休日 | 1回目:24,000円(税込25,920円)、2回目以降:18,000円(税込19,440円) |
受診の仕方
整形外科・高気圧酸素治療外来:月曜日から金曜日の午前中
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予約受診:基本的にはすべて予約受診でお願いします。
整形外科・高気圧酸素治療の予約を電話でお取りください。その際には、『整形外科高気圧酸素治療の初診をお願いします。』とお申し出ください。(千葉労災病院 連携予約室 ℡:0436-75-2733)
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直接来院:予約枠に空きがある場合に対応できることがあります。
来院し、窓口にて整形外科初診受付(8:30∼11:00)を行ってください。受付の際には、『整形外科高気圧酸素治療の初診をお願いします。』とお申し出ください。ただし、予約枠が埋まっている場合には対応できないこともあるため、後述する注意点について十分にご理解ください。
注意点
- 高気圧酸素治療の枠には限りがありますので、当日の枠が埋まっている場合には実施できないこともありますので、その際にはご了承ください。特に直接来院される場合にはこの点についてご理解いただくようお願いいたします。
- 診察で対象疾患ではないと判断した場合や治療前の検査で高気圧酸素治療を行うことができないと判断した場合には、高気圧酸素治療は行わずに通常の治療を保険診療で行うこともあります。
- 対象疾患となり高気圧酸素治療を行った際でも、耳抜きができない・閉所恐怖症などの事象がある場合には、治療を中断せざるを得ない場合があります。
- 自費診療となりますので、薬の処方など含めてすべて自己負担となります。そのため患者様の負担を減らすために、基本的には本診療での薬の処方は行わないか、最小限に留めるものとします。
- 緊急に高気圧酸素治療を行わなければならない他の患者様がいらした場合には、予約時間より実施が遅くなることがあります。
平成24年4月 初版
平成30年6月 改訂
平成31年1月 改訂