病理診断科では内科、外科等の臨床科で採取された患者さんの検体を形態学的に診断を行うことが主な業務です。具体的には患者さんから採取された組織・細胞を顕微鏡で調べ、今後どのような治療が適しているか、特に手術などの侵襲の大きな治療が必要かどうかを臨床医師に情報提供するのが主な仕事です。近年は分子標的薬選択のための免疫組織化学も増加してきました。手術を行った場合には摘出された病変の質的診断や病変の広がりを調べます。不幸にして亡くなられた患者さんにはご家族の承諾を頂けた場合は病理解剖を行い、今後の医療に役立てます。
このように患者さんの前に立つことがほとんど無いため、一般の方にはあまり知られていません。しかし病理組織診断・細胞診断は豊富な知識・経験を必要とするきわめて専門性が高い業務で、その結果は患者さんの治療方針に重大な影響を及ぼすことから、特別にトレーニングを積んだ者が病理専門医試験や細胞検査士試験に合格し、初めて行えるものです。病理組織標本作製は高度の熟練した技術を要し、未だ機械化不可能な業務です。スタッフの技量で病理・細胞診断精度は大きく変わります。病理・細胞診専門のスタッフを擁するのはある程度以上の規模の病院に限られます。当院は日本病理学会認定施設、日本臨床細胞学会認定施設を取得しています。
他院から紹介された患者さんの院外標本についても診断を行っています。
業務実績
病理組織検査 | 術中迅速病理組織検査 | 細胞診 | 病理解剖 | |
---|---|---|---|---|
平成5年 | 2681 | 4874 | 43 | |
平成6年 | 2698 | 4827 | 30 | |
平成7年 | 2792 | 4567 | 24 | |
平成8年 | 2509 | 4892 | 32 | |
平成9年 | 2972 | 5101 | 24 | |
平成10年 | 3103 | 5585 | 22 | |
平成11年 | 3345 | 48 | 6654 | 16 |
平成12年 | 3723 | 58 | 7094 | 24 |
平成13年 | 3779 | 63 | 7686 | 20 |
平成14年 | 4182 | 56 | 7081 | 26 |
平成15年 | 4081 | 83 | 8136 | 14 |
平成16年 | 4022 | 89 | 7779 | 17 |
平成17年 | 4047 | 97 | 8079 | 18 |
平成18年 | 4261 | 120 | 7842 | 14 |
平成19年 | 4501 | 109 | 7914 | 20 |
平成20年 | 4497 | 92 | 7963 | 7 |
平成21年 | 5164 | 80 | 7956 | 16 |
平成22年 | 5337 | 128 | 7815 | 16 |
平成23年 | 5278 | 112 | 7083 | 13 |
平成24年 | 5277 | 100 | 7368 | 13 |
平成25年 | 5194 | 132 | 7113 | 7 |
平成26年 | 5637 | 147 | 7093 | 16 |
平成27年 | 5774 | 182 | 7377 | 12 |
平成28年 | 6074 | 180 | 6919 | 11 |
平成29年 | 6203 | 154 | 6996 | 9 |
平成30年 | 6193 | 183 | 6688 | 12 |
平成31年・令和元年 | 5882 | 201 | 6475 | 12 |
令和2年 | 5777 | 189 | 5921 | 13 |
令和3年 | 5624 | 197 | 5901 | 8 |
令和4年 | 5668 | 194 | 6110 | 10 |
令和5年 | 5671 | 197 | 5998 | 7 |