増え続ける前立腺がん
日本において前立腺がんは、増加の一途を辿り、2021年予測では胃がんを抜いて、男性のがん罹患率で第1位となっています。
前立腺がんは、前立腺がん検診による死亡率の低下が報告されており、多くの自治体で前立腺がん検診が行われています。市原市でも行われていますが、受診率は低いです。その結果、進行した前立腺がんを診察・治療する機会が未だあり、もっと早く、検診を受診していればと、悔やまれる思いをしてきました。
増加している前立腺癌がんに対して、質の高い医療を提供し、地域医療に貢献することを目的に、2022年4月前立腺疾患センターが開設されました。
当センターの特色
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAが高値であった患者さんに対して、腰椎麻酔下での経会陰的前立腺生検による確定診断を行っています。痛み無く、確実に前立腺の組織を採取します。
治療に関しては、前立腺がんの治療の根本をなす、根治的治療が施行可能です。2020年にダヴィンチXが導入され、前立腺がんに対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術が施行可能となりました。いまや前立腺がんの手術療法として、ロボット手術は大きな地位を占めており、その標準治療を行うことができるのは、市原市では当院のみであり、この治療を提供できることは、とても喜ばしく、地域の方々におかれましては朗報であると思います。
根治的治療の一つである、放射線治療も当院にて施行可能です。一部の放射線治療(重粒子線治療)は当院では施行できないため、QST病院(千葉市稲毛区)へ紹介しています。
また標準治療の一つである、内分泌療法も当院にて施行可能です。さらに、抗がん薬を用いた化学療法も施行可能です。
前立腺がんに対して泌尿器科医、放射線科医と綿密に連携することで、集学的治療を行い、最適な治療を提供します。
前立腺疾患は、前立腺がんのみではなく、前立腺肥大症や様々な排尿障害、夜間頻尿など多岐に渡ります。そのような疾患にも積極的に取り組み、満足できる医療を提供していきます。