丁寧な診療で病態を見極め、一人ひとりに合った治療の提案
2019年度に開設された診療科で、リウマチ・膠原病疾患およびアレルギー疾患の診断・治療を行う専門施設です。
これらの疾患は免疫の不調を背景として多彩な症状を呈するため、丁寧な問診と検査結果を総合的に判断することが診断の鍵となります。また、診断名だけにとらわれず、病態を適切に把握することも大切であると考えています。患者さんにとっては耳慣れない疾患で、長く付き合っていく疾患も多いため、わかりやすい説明を心がけるとともに、一人ひとりに合った治療を提案しています。中核病院として、地域の医療機関の皆さまとセミナーの開催などを通して、診療レベルの向上と地域連携の推進に取り組んでいます。
リウマチ・膠原病疾患の診療
膠原病は、自己免疫疾患の一部に対する総称で、免疫の異常によって関節、肺、血管、腎臓、筋肉、皮膚など全身のさまざまな臓器に炎症を起こす疾患群です。関節リウマチをはじめ、さまざまな疾患があり、複数の膠原病を併発することもあります。「難病」という印象を持たれることもありますが、同じ疾患でも、症状や臓器への影響には個人差が大きく、必ずしも薬物治療が必要とは限りません。必要に応じて免疫抑制薬などによる治療を行い、治療に伴う感染症などの合併症にも注意しながら診療します。
アレルギー内科の診療
2015年に施行されたアレルギー疾患対策基本法では、アレルギー疾患医療の均てん化が掲げられています。当科では、アレルギー疾患医療拠点病院である千葉大学医学部附属病院と連携し、アレルギー疾患地域基幹病院として内科アレルギー疾患の診療を行っています。食物や薬物によるアナフィラキシーでは、原因の特定に詳細な問診が重要であり、特異的IgE抗体検査などを組み合わせて診断します。食物アレルギーの診断においては、花粉症関連の口腔アレルギー症候群や、ヤマイモなどによる痒みといった仮性アレルゲン反応についても適切に評価します。薬物アレルギーでは、必要に応じて皮膚試験による原因検索も行っています。
たまち ともひろ
玉地 智宏
| 患者さんへのひとこと | 皆さんにとってあまり知られていない疾患が多いので、わかりやすい説明を心がけます。 |
|---|---|
| 役職・職位 | 部長 |
| 認定医等 | 日本リウマチ学会 専門医・指導医 |
すずき じゅんや
鈴木 惇也
| 患者さんへのひとこと | 正確な診断を心がけるとともに、患者さん一人ひとりに寄り添った治療を大切にします。 |
|---|---|
| 役職・職位 | 医長 |
| 認定医等 | 日本リウマチ学会 専門医・指導医 |
みやした かい
宮下 開
| 患者さんへのひとこと | 相談しやすい雰囲気づくりを心がけます。 |
|---|---|
| 役職・職位 | 医師 |
さかもと こうき
坂本 孝生
| 患者さんへのひとこと | 患者さんに寄り添い、信頼していただけるよう努めてまいります。よろしくお願いいたします。 |
|---|---|
| 役職・職位 | 医師 |
外来担当医表
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|
| 宮下 | 玉地 | アレルギー ・膠原病内科医師 |
玉地 | 鈴木 |
- 外来診療は完全紹介予約制となります。連携予約室にて御予約下さい。
2025年度 診療実績
入院診療実績
| 入院患者数 | 128例 |
|---|---|
| 平均在院日数 | 13.9日 |
疾患別入院症例数(主な疾患)
| 抗核抗体関連膠原病(全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎など) | 13例 |
|---|---|
| 血管炎症候群(顕微鏡的多発血管炎、大血管炎など) | 24例 |
| 関節炎・腱付着部炎疾患(関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、結晶性関節炎など) | 21例 |
| アレルギー内科関連疾患(アナフィラキシーなど) | 18例 |
外来診療実績
| 外来通院患者 (関節リウマチ 約450人、アレルギー内科疾患 約80人) |
約1,000人 |
|---|---|
| 関節超音波検査 | 約600件/年 |
主な対象疾患
リウマチ・膠原病疾患
- 関節リウマチ
- 肝付着部炎疾患
- 抗核抗体関連膠原病(全身性エリテマトーデス・皮膚筋炎など)
- 血管炎症候群(ANCA関連血管炎・大動脈炎症候群など)
- 成人発症Still病
- IgG4関連疾患 など
アレルギー内科疾患
- アナフィラキシーの原因精査
- 成人発症食物アレルギー
- 好酸球増多を伴うアレルギー性気管支喘息など
主な治療
関節リウマチの診療
関節リウマチは膠原病の中で最も多く、近年、診療の進歩が著しい疾患です。関節超音波による診断や病状の評価に加え、治療の中心となるメトトレキサートや、生物学的製剤などの分子標的薬による治療により、多くの患者さんで寛解を目指すことが可能となっています。患者さん自身が取り組めることとして、禁煙や歯科衛生の維持も大切です。病状が安定した患者さんは地域の医療機関に逆紹介し、地域連携を進めています。一方、間質性肺炎や肺感染症を合併する患者さんでは、治療が難しい場合もあり、呼吸器内科と連携して診療しています。
成人の食物アレルギーの診療
成人の食物アレルギーでは、原因食物を摂取した後に運動した場合にのみ症状が出現するなど、同じ食物を食べても毎回症状が出るとは限らず、診断が難しいことがあります。繰り返す症状について丁寧に問診することが、診断の手がかりとなることもあります。治療では、原因食物の除去・回避が基本となります。小児では、専門医の管理のもと、経口免疫療法によって食べられる量を増やすことを目指す治療も行われていますが、成人では十分なエビデンスが確立しておらず、一般的な治療とはなっていません。当科では、症状や生活背景を踏まえ、必要最小限の食物除去となるよう指導しています。
アレルギー性気管支喘息の診療
他のアレルギー疾患を併発や好酸球増多を伴うアレルギー性喘息で、専門的な診療を必要とする患者さんを対象に診療を行っています。家庭でのピークフロー測定などによる病状管理と、診療ガイドラインに沿った吸入ステロイドを中心とする治療を基本としています。正しい吸入方法の指導に加え、治療を行っても十分なコントロールが得られない場合には、病型に応じて生物学的製剤などの分子標的薬による治療も検討します。


